利休道歌 22
筒茶碗深き底よりふき上り 重ねて内へ手をやらぬもの
筒茶碗を拭くときは、茶巾を人さし指と中指とではさむようにして
まず底を拭き、次に茶碗の縁にかけて、いつものように3回半拭いて
茶巾を茶碗から離さずに下においてから
茶巾をはずして上部を少し折って、釜の蓋の上に置きます。
いつもの茶巾の拭き方のように、縁から先に拭けば
底を拭く時に指や手先が茶碗の内部にふれるからです。
筒茶碗は寒い時に使うお茶碗で、特別な「しぼり茶巾」というお点前があります。
茶巾を水屋で絞ったままの姿で筒茶碗に入れ
釜の蓋をあけると、それを横一文字に仮置きして
茶碗にお湯を入れ、茶筅を茶碗に入れてそのままにしておきます。
その間に茶巾をとり、いつものようにたたんで蓋の上に置き
茶筅通しをします。
茶巾をたたんでいる間、お湯が入っているので茶碗が温まるのです。
もう少し寒くなって、炉の時期にこの説明ができたらよかったのに…。
またもや季節はずれとなってしまいました。
早く加古さんのお茶碗でいただきたいな・・・。
習い始めたばかりのころ、覚入の黒の筒茶碗でこのお点前をさせていただきました。
その時のお茶碗の素晴らしさは、今でも忘れられません。